それでも愛してる

病なんかぽぽいのぽい 音楽聴いて穏やかに生きていこ  毎日が冒険の日々ー

飼い犬のセレナーデ

 

 

ぼく、ころころころがるよ        」

うーん。
おはよ。
なるこちゃんはまだ寝てるみたい。
いびきがうるさかった。
ぼく、げんじゅうろう。

ままは天使になった。
ままが悲しまないように、なるこちゃんと仲良くする。

のどがかわいた。
水がからっぽだよ。また入れ忘れてる。
あ!起きた!「くーん、くーん」伝わるかな。伝われ!
 いつものようにお布団をかたして、ソファーに座ってもくもくさんを口から出し始めた。
ちがうよ!水だよ!鼻毛ぬいてる場合じゃないよ!
こっちきた!みずー!
よし!気づいた。水持ってきてくれた。
『ビール入れてみたら飲むかな』
のむか!ばかー!とにかく水!
がぶがぶがぶ ぷっはー!
このいっぱいのために生きてる!
あ!クッキーごそごそしてる!朝のおやつだ!
ぱくぱく。
おいしいけどたまに、しけってるんだよなあ。
あー。散歩の用意しだした。いやだなあ。
けど外でたら風がきもちよくてまあ、なかなかいいんだよね。
そういや友達を最近みないなあ。ぼくと同じ種類の友達。
でぶなんだよねー。でも年上だし
「もっとやせたほうがいいよ」とかちょっと言えない。
 いつもの散歩コースにあるこどもが
たくさんいるところにきた。
このこたちはたのしい。ともだちになりたい。
「ちっこーい。かわいいー」
キミもちっこいよ!ぼくよりでかいけど。
でもかわいいて言われたら
ちょっとうれしい。さあ、もうすぐお家につく。
こっからぼくは足が速くなる。
はやく帰ってベッドでごろごろしたい!

 帰宅。

あーあー いつものようになんか
「ガーッ!!」ていうやつで
なるこちゃんが床をこすりはじめた。
ちょーこわいよこれ。
あ!やめて!!まただ!なるこちゃん!
たまに「ガーッ!」てなるやつで
ぼくのからだにこすりつけてくる!
激おこぷんぷん丸だよ!

 次は布で床をふきはじめた。
なんかぶつぶつ言いながらいっつもやってる。
なに言ってんだろうなあ。

なるこちゃんはそれがおわるとご機嫌で
ぼくにクッキーをもってきて
食べさせてくれながら遊んでくれる。
あんまりおもしろくないけど
たのしいふりをする。なるこちゃんは
「よしよしーきもちーかー」とかいっつも言う。
いいからたまにはむかしたべさせてくれてたぷよぷよのなんて言うの?
おにく?あれちょーだいよ

お空がまっくらになったらなるこちゃんは
お布団をしいてなんかごそごそしだす。
すきをみて、なるこちゃんのでっかいお布団の
どまんなかでねっころがるのがぼくのしふくのとき!
でもなるこちゃんがお布団はいってきておいだされる。ずるい。
たまーになるこちゃんが
なかなかお布団にはいってこないときがあって
ぼくは気がついたらでっかいお布団のどまんなかで
ばくすいする。
ちょーきもちー。
 ぼくのもうひとつのたのしみ。
たまにおねえちゃんが遊びに来てくれる。
おねちゃんはやさしい。
でもちょっと遊んでくれたらもうじぶんのごはんを
がつがつ食べだす。
なるこちゃんとおねえちゃんはたまにけんかする。
それをみてるとちょっとかなしくなるよ。
でもすぐなかなおりするからうれしい。
そんなときぼくは
クッキーがもらえるんじゃないかとか
かんがえてしまう。
 なるこちゃんはたまに泣く。
だからぼくはなるこちゃんのもとにいって
じっとみつめると
なるこちゃんは少しえがおになってくれる。
うれしい。
 ぼくはしってる。
ぼくがしんで、そしてぼくは今度はにんげんにうまれかわるんだ。
なるこちゃんとおねえちゃんはしらないけど
ぼくはぼくのことはわかるんだ。
それまでにはまだじかんがあるけど
それまで、ふたりにいっぱいあそんでもらうんだ。
 
にんげんにうまれかわったらまずぜったいやること
決めてる。

あのでっかいお布団で
いっぱいいっぱいねることなんだ。
しばらくのがまん。今はぼくのちょっとちいさないえでねることにするよ。


もうすぐ、ごはんのじかんだー
どうでもいいけどぼくにむかって
プロジェクトAをはりきって
うたいかけてくるのはおもしろくないからやめて!


じゃあごはんもってきてくれたのでたべる。
今日のごはんはなにかなあ

 

 


ドッグフードかよ!!


ぼくいぬだったわん。

 


『わん』てきもいなぼく。